前回の様子
一次審査通過作品
最終審査ノミネート作品
審査の様子
最終審査発表
最終審査発表
審査の様子

photo1今回も昨年同様最終審査会をNEC本社会議室で行いました。
審査の流れとしては、予め審査員の方々には審査用紙をお渡しし、最終審査会当日までに評価して持ち寄っていただきました。
審査の指標としては、それぞれの作品に対し
 ・『アイディア』
 ・『グラフィック』
 ・『完成度』
 ・『オリジナリティ』
の4つの指標から評価を行った上で、最終審査会では、まず各部門ごとに審査員の推す作品をそれぞれ3〜5作品挙げてもらい、あわせて選んだ理由をコメントいただきました。
次に、各審査員の視点で選ばれた作品について、各審査員のコメントやユーザー投票の結果を踏まえて更に審査員全員で議論しました。

議論を始めるに当たって、今回のコンテスト応募作品全体を通して見た時に、審査員全員の感想としては、「企画が今ひとつ練りきれていない作品が多い」ということでした。
『503の時は技術勝負みたいなところがあったのですが、今はノウハウもたまり、具体化する術はもうあるので、今は企画がどれだけ練れるかというところに移行してきていますね。』(小曽根氏)
『技術勝負だけではなく企画勝負にもなってきている。』(増澤)
という意見もありました。

また、ダウンロード数やユーザー投票の傾向から、作品のネーミングが非常に重要な要素を占めることが浮き彫りになっています。ダウンロードさせるための動機付けとして「名前のインパクト」が大きく影響しました。
今回、「NEC端末で動作すること」が応募の条件でしたが、ダウンロード自体は端末に制限をかけませんでした。端末ごとの表示や動作スピードの違いなどから100%ユーザー投票の意見を反映することは出来ませんでしたが、コメント内容も含めて最終審査会で議論する上で、ユーザーの視点ということで大きな影響を与えたのも事実です。

photo2 ■[ゲーム部門]
ゲーム部門に対しては厳しい意見も出ました。
『ゲームを作る人はゲームをもっとやらないといけないと思います。応募作品全体を通して見てみると、それなりに誰かのうちでちょこちょこと遊んだことがある程度というような人が作っている印象を受けますね。プログラムは好きだけど、ゲームをあんまり遊んでいない感じです。プレステなどのゲームをやっている人からみれば、こんな操作性では絶対受け入れられないというような作品が多かったです。コンシューマーゲームは操作性についてよく考えられているお手本となるようなものがあると思うので、もっと研究して欲しいですね。そうすれば今のゲームの状況にあったクオリティの高いものが作れると思います。』(小曽根氏)
その中で、今回の応募作品の中で、全体的な完成度が高いと審査員全員が支持したのは「ぺんぎんあたっく!!」でした。
ネタとしてはありがちな部分ではあるけれども、操作性も含めて作品全体の完成度の高さが評価されました。
ユーザー投票やダウンロード数が多かった「パニックケーブスペシャル」も、
『単純に面白かった。頭使って箱を落としたりして夢中になる何分間がある。』(樋口氏)
『ゲーム性はすばらしいが、説明が足りていないのと、グラフィックをもう少し頑張ればよかったですね。』(中村氏)
と、ゲーム性の高さは評価されたのですが、操作やゲームについての説明が不十分という点と、グラフィックの部分で評価が下がってしまいました。昨年の503シリーズが中心のコンテストであれば間違いなく入賞が狙えたと思いますが、今回のコンテストでは504シリーズも応募対象とされている中で、あえて503シリーズ向けに出す理由として訴える部分が今一歩でした。

ゲーム部門で他に最後まで入賞候補として残ったのは「SPK」「MICOTAN」「回転リサイクル」でした。
「SPK」はNEC端末で遊ぶと動作スピードもバランスよく、
『いかにもiアプリと言う観点で見ると見たことがないゲーム。テレビで見るアニメっぽいゲームとして面白かった。』(樋口氏)
『電車の中でやるのには切りがよく、片手で出来るのが良かった。』(増澤)
『画像がちゃんとしているのが良かったですね。』(小曽根氏)
などの意見もありました。
「MICOTAN」は
『絵の使い方や動かし方は可愛かったですね。』(小曽根氏)
『個人的にはすごい好き。ただ立ち上げると枯れていたりしてまだ咲いているのをみたことがない。待ち受け機能があったらよかったですね。』(中村氏)
などの意見があリました。
「回転リサイクル」はグラフィックをしっかり作りこんでいる点が評価されましたが、「ゲーム性が単調」なのがマイナスポイントになってしまいました。

■[ツール部門]
ツール部門は今回応募数が多く、前回に比べて激戦になった部門でした。
ユーザー投票やダウンロード数では「にきゅーと」が非常に多くの支持を得ましたが、高機能な部分で評価されたものの、
『一番目を引いた作品ですが、Windowsのコピー品といわれても仕方がないですね。』(小曽根氏)
『よく頑張って作って来ているところは評価が高いですが、Nらんどに乗っけていいカナと思うと難しいですね。』(中村氏)
というオリジナリティの部分で手厳しい意見がありました。
また、たたかえ!iアプリの直前に行われていたドコモ四国のiアプリコンテストに「待受けポケットフォルダ」という作品が出品されていたために、見せ方は違うものの斬新性が薄れていたのもありました。
その他入賞した作品以外では、
『ツール部門全体を通して見ると、作品の設計部分が甘いですね。使い勝手が良くないものが多いです。』(小曽根氏)
『コンテストに応募するに当たって、自らパイを狭めるようなものを作ってどうするんだと思う。』(樋口氏)
という厳しい意見も聞かれました。ツールはゲームほど派手さがない分、使い勝手や利用シーンが研究されじっくりと作りこまれているものを求められました。

■[待ち受け部門]
待ち受け部門は意見が分かれました。入賞作品以外では最後まで入賞候補として「CosmoBox」と「realtime」が残りました。
「CosmoBox」は宇宙空間を再現する上できれいな画像なのですが、絵が書かれたと認識するまでに時間がかかり、起動していないと勘違いしてしまうことが多いため、
『最初にアクションを入れるなどもう少し工夫が欲しい。』(増澤)
という意見が出ました。
「えーじぇんと」は「CosmoBox」に次いでダウンロードも多く、投票自体は多かった作品ですが、
『作者はまず3Dを動かしたかったのではないでしょうか。そして、待ち受けにして何か機能をつけるなら天気予報だなと考えた感じで完成度としては今一歩。「エージェントアプリ」というならもっと機能が欲しいですし、「天気予報アプリ」というならキャラクターや背景などを工夫してもっとこだわって欲しかったです。』(小曽根氏)
という意見も聞かれ、審査員の評価としてタイトル名から来る作品の完成度を考えると評価が下がってしまいました。
「realtime」ももう少し完成度を上げて欲しいとの意見が出ました。
『時刻の表示に使われる数字もシステム標準の文字を使っていて、例えばドットが集まってきて衝突して文字が浮かび上がるなどの演出をもう少し練りこんで欲しかったですね』(小曽根)
という意見がありました。
『アイディアの方向性としてはアリだと思うので、完成度が高ければ面白くなったと思う』(増澤)
など、可能性や方向性は評価されたものの、
『作りかけで応募した感じが否めない。まだまだ煮詰める余地が十分ある』(増澤)
という手厳しい意見もありました。

photo3 ■[504i部門]
504i部門は審査員全員の意見として、『504iシリーズならではのアイディアの練りこみが足りない作品が多い』という意見でした。
「一人尻取」も
『しっかり作りこんでいれば面白いと思う。「ら」攻撃などCPU側が言葉の最後をわざと「ら」で毎回終わらせてくるなどの工夫があればよかった』(樋口氏)
「わんダフル・ジャーニー」は
『赤外線機能を使って友達と色々なデータのやり取りが出来るなどもう少し工夫がほしかった。写真が撮れるだけでは今一歩』(増澤)
などの意見が多く、残念ながら504i部門で応募された作品で、入賞した「ケータイ雪祭り」以外の作品は部門賞としても候補に上がりませんでした。

一方ゲーム部門への応募作品で、入賞候補にも上がっていて、ユーザー投票でも評価が高かった「陽のあたる場所へ」の方が504iならではの表現力を突き詰めて作りこんでいるという点で評価され、審査員全員一致で504i部門賞での受賞とすることになりました。この作品はもう少し上位の入賞も検討されましたが、操作性の面で、
『結局は移動して動かしてという単純な動作しかできないにもかかわらず、人を選択して移動させて方向を決めて止めて、上下に位置を動かす選択をして上下に動かすという、2つのアクションをするために5,6個の選択が必要になってきています。これも設計の問題で、普通に動かして向いている方向の上下するくらいのキーがあれば、本当に単純なインターフェースが作れると思うんです。そのあたりをもっと研究すればもっと質が上がっていくと思いますね。』(小曽根氏)
という意見もあり、ゲームバランス的にはまだまだ改善の余地があるということでこの位置での入賞となりました。

今回の最終審査会は4時間にわたる大議論が交わされました。
iアプリがリリースされて2年が経過し、2世代目の504シリーズも発売され、iアプリを作るノウハウも確立されてきました。この春には505シリーズのリリースも予定されており、iアプリもどんどん進化していきます。 携帯電話の表現力が向上していくことで、技術力のほかに表現力と企画力という要素が強く求められ、それらがバランスよく練りこまれて「完成度」という部分がよりシビアに見られるようになってきました。
今回も入賞した作品の多くはチームで取り組んだ作品も多く見受けられます。今後はこの「完成度」を高めていく上でチームを組んで取り組む傾向がもっと高くなることでしょう。
今回のコンテストを通じて、今後世の中に生まれてくる作品のクオリティが底上げされるきっかけになれることを事務局スタッフ一同願っております。